北区アーチェリー協会 
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[2006.4.3] 北区アーチェリー協会中国支部便り  その2

味千ラーメンで日本式サービスを教える


 日式味千拉面(日本の味千ラーメン)という日本発の博多ラーメンのチェーン店がここ無錫にも進出してきた。日頃、日本食レストランのたぐいは、高いし、あまりうまくないので、あまり足をむけることはなかったのだが、同僚が九州出身の同僚が「結構いける」と言っていたのと、故郷の伝統的食文化が間違って広まってはいけないという、妙な責任感が生まれることがある。広島出身の妻が、東京で「広島風お好み焼き」と看板を掲げる店を見つけては、味見に入る行動と同じだ。そこで、たまたまあったその店にふらっと立ち寄ることにした。

 入り口には餃子と書かれた赤いちょうちんが下がり、店の中は大きな相撲の絵が掲げられ、日式を意識したつくりだ。「歓迎光臨(ファンインガンリン)」
(ゲッ・・・中国語かよ・・。日本式と看板を掲げているのだから、ここは「いらっしゃいませ」だろ。少なくとも、俺の知ってる日式スナックはそうだ。←・・・って比較しちゃだめだろ?)
 案内された席に着き、ここで日本人の私は少し意地悪しようと考えた。

 店員「ニーデンシャンマ?(中国語(訳:ご注文は何ですか?))」
 私 「塩ラーメンと餃子をください。(日本語)」
 店員「ニーシュオシャンマ?(中国語(訳:何て言いましたか?))」
   (以下全部中国語)
 私 「ああ日本語を言ってしまいました。日本式と書いてあったので、日本語が使えると思いましたから。では、塩ラーメンと餃子をください。」
 店員「ああそうですか、私たちは日本語ができません。すみません。ご注文承りました。」

 いつも中国人にやられてばかりいるので、プチ逆襲して勝利の喜びに浸っているとラーメンが運ばれてきた。同僚の言っていた通り、想像していたより、おいしかった。麺も細麺、スープも博多ラーメン特有のこってり味で、紅しょうがも焼き豚も良かった。
・・・が餃子が来ない。ほとんどラーメンを食べ終わってしまう頃、しびれを切らして店員に言った。
 私 「すいません、餃子がまだ来ないんですけど・・・」
 店員「(悪びれた様子なく)餃子は焼くのに時間がかかります。」
 私 「もうラーメンを食べ終わってしまうよ。日本式(の看板掲げるくらい)なら一緒に持ってきてよ。お客の満足を優先して考えるのが日本式だよ。じゃあ、もう食べ終わってしまうので、ライスを追加してください。こんどは、一緒に持ってきてよ。」
 店員「わかりました。一緒にお持ちします。」

 と言って、さらに10分ほど待たされただろうか?やっと私の元に、餃子と追加した1杯のライスが運ばれてきた。熱々の餃子は外はパリッと中はジューシーでおいしかった。
いきおいご飯をぱくついた。
 (「ん・・・冷たい」)
 そのライスは厨房内で10分前に盛られてずーっと放置されていたということは容易に想像がついた。 ・・・また中国人に逆転負けされた敗北感一杯でその店を後にした。                                   (終)

 
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